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高級な味わいを目指して|北部農林高等学校

2014年09月12日

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シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
北部農林高等学校 アグーちんすこうプロジェクト

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男子:(左)比嘉 敬人 (中央左)渡嘉敷 有太 (中央右)比嘉 優一 (右)比嘉 駿一
女子:(左)宮城 貴織 (中央左)仲宗根 夏希 (中央右)重 佳菜 (右)比嘉 梓

interview

文献を読み解き アグーのラードを使い
琉球王国時代の流れを汲む銘菓を再現

高級な味わいを目指して試行錯誤を繰り返し
味・香りともまろやかで上品な味に仕上げる

今でこそスーパーや土産品店で簡単に手に入るちんすこうだがかつては琉球王家御用達のお菓子だった。漢字で書くと「金楚糕」と中国の影響を受けた伝統的なお菓子だとわかる。中国では「糕(ガオ)」というと米や小麦粉を使った蒸し菓子のことであるが、沖縄ではなぜか焼き菓子になった。その金楚 の歴史を調べ、焼き菓子になった直後の金楚 を復元したのがアグーちんすこうプロジェクト。そのプロジェクトのリーダー、仲宗根夏希さんにプロジェクトの全容を聞いてみた。

何十回となく試作品を作り
多くの意見を取り入れた

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ちんすこうは1個1個包装紙に包まれて高級感もバッチリ。パッケージもシンプルだけど文字や色使いが琉球らしくなっている

仲宗根夏希さんがアグーの脂を使ったちんすこう作りを始めたのは1年生の夏休み前。食品科学科の竹西広一先生の「アグーのラードを使った商品を作らないか」というひと言だった。竹西先生は研究課題としてこれまでにシークヮーサーの絞りカスなど廃棄されるものでも、視点を変えれば商品価値が生み出せると2012年から生徒と商品開発を手がけている。「アグーのラードを使った商品を調べていたら、ちんすこうがあったんです」と仲宗根さん。さらに「もともと蒸し菓子だったのを、明治時代に日持ちがするように焼き菓子に変えたんですよ」とも。焼き菓子にするときにアグーのラードを使うようになったのを知り、それならば当時のちんすこうを再現しようとプロジェクトを始めた。「最初は琉球菓子についての文献調べから始まり、琉球菓子に詳しい人に聞いていくうちにだんだん材料がわかるようになりました」という。それから商品化に向かって取り組んでいき、再現した味に近づけるために数え切れないほど焼き方を変えては味見をお願いし、理想の味へと近づけていった

完成した試作品を本家本元へ
本格的な商品開発に動き出す

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作業工程や成分分析を詳しくい書いた記録簿。一年分の記録を一ヶ月で仕上げたのが何よりも大変だったという

数えられないほどちんすこうを焼き、何十回となくアンケートを積み重ね一番美味しいと思った試作品を持って企業へ商品化をお願いしたところが、明治時代にちんすこうを蒸し菓子から焼き菓子に変えた新垣ちんすこう本舗。自分たちが決めた味に担当者は「味と香りが違うね」と褒められたが、商品として売るにはラードの香りを抑えて黒糖を加えることを提案され、そのアドバイスを盛り込み商品化が決定。ちんすこうの形やネーミング、パッケージデザインや料金設定など何度も話し合い1月25日から本格的に販売。「アグーのラードで高級感を出し、味も上品に仕上げました」という。しかし、プロジェクトは商品化で終わりではなく今度は普及活動も続くという。今後の目標を聞いたところ、「今年9月に県内の農業高校による日本学校農業クラブでのプロジェクト発表会で優勝して、10月に沖縄県で行われる全国大会に出場したいです」という。そのために細かい報告書と実験による分析結果を作成中だという。

profile
仲宗根 夏希 Natsuki Nakasone
食品化学科3年。プロジェクトチームリーダー。難しい実験が多く何度も失敗をしたけれど、諦めずに何度も繰り返しチャレンジして結果が出せたという。

宮城 貴織 Kiori Miyagi
食品化学科3年。冷静沈着な雰囲気でチームを落ち着かせる。

重 佳菜 Kana Shige
食品化学科3年。いつも笑顔のチームのムードメーカー的存在。

比嘉 梓 Azusa Higa
食品化学科3年。チームの渉外担当。マスコミ対応に抜群のセンスを発揮。

比嘉 敬人 Keito Higa
食品化学科2年。実績が残せると渡嘉敷有太さんと一緒にプロジェクトに参加。

渡嘉敷 有太 Yuta Tokashiki
食品化学科2年。実績が残せるプロジェクトだと思い参加。軟式テニス部。

比嘉 駿一 Shunichi Higa
熱帯農業科2年。面白そうなプロジェクトだと思い参加したアグー飼育担当双子の弟

比嘉 優一 Yuichi Higa
熱帯農業科2年。面白そうなプロジェクトだと思い参加したアグー飼育担当双子の兄

【実績】
●第36回 沖縄青少年科学作品展 沖縄県知事賞

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