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己を律することが強さへの近道となる|那覇高校

2014年07月11日

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シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
那覇高等学校ボクシング部 中江 誠くん(左)・上間 北斗くん(右)

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interview

毎日の地道な努力と練習の賜物で優勝を狙う
進学校でもやれば出来ることをみんなで証明

自分との闘いから始まるボクシング
己を律することが強さへの近道となる

沖縄でボクシングが強い名門校といえば私立や工業高校、水産高校などの実業学校が知られているが、平成24年度県高等学校新人ボクシング競技大会で那覇高校が団体初優勝、平成25年度には沖縄県高校総体でも団体優勝を飾った。普通科のしかも進学校のボクシングの団体優勝は周囲を驚かせた。今回はその那覇高校ボクシング部の主力選手として活躍する中江誠くんと上間北斗くんに聞いてみました。

進学校から優勝者がいっぱい
監督や選手の努力のたまもの

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力強いパンチが印象的な中江くん。常に相手の動きを観察し、的確なパンチを繰り出す。

那覇高校にボクシング部ができたのが7年前。顧問の瀬良垣世堅先生が着任してからのこと。それまでボクシングとは無縁だった進学校だが、先生の指導で部員は着実に実力を伸ばし九州チャンピオンや全国インターハイ準優勝選手、県大会での優勝者を多数輩出する。現在、キャプテンとして部を引っ張る中江誠くんにボクシングを始めたきっかけを聞くと「中学は柔道部で高校も続けようと思ったら柔道部がなかったからです」と笑う。それでも部活をしたかったので、学校見学でボクシング部の垂れ幕が印象的だったのを思い出す。「垂れ幕を見て高校からはボクシング部があるんだと印象に残り、格闘技が好きだったので決めました」という。沖縄で激戦区のバンタム級を制した、エース上間北斗くんは「1年生の1学期に陸上部をやめてブラブラしていたんです。でも何か運動はしたかったので、前から興味があったボクシングを覗いたら、呼び止めらてそのまま入部しました」と語る。

減量の苦しさはあったが
楽しいから苦ではなかった

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強烈なパンチを繰り出す上間くん。身体中を滴る汗がまた、その強さを一層引き立たせている。

中江くんは「中学時代、柔道部は体重を増やせと指導されていたので、引退しても食べ続けて受験が終わったら85kgまで増えていました」といい、入部して2ヶ月でミドル級まで約10kg減量。「食事と運動だけの減量だったけど、練習が楽しくて苦にならなかったです」という。上間くんはボクシングを初めたら、想像以上に面白くてもっと強くなりたいと思うようになる。「練習を初めて3ヶ月くらいした時に、自分が強くなったという実感が湧きました」といい、1年後にバンタム級で優勝。ボクシングをやって変わったことは「中学まではゲームが好きなインドア派でしたけど、ボクシングを始めたら外に出て体を動かし、時間があればロードワークをしています」と中江くん。上間くんは「陸上部をやめたあと毎日ダラダラ過ごしていたけど、ボクシングは普段の生活がちゃんとできない人は強くなれないといわれ、ちゃんと生活ができるよう心がけています」という。今後の夢は「九州大会を勝ち抜いて全国大会に出ること」と中江くん。上間くんは「大学でもボクシングを続け、いつか瀬良垣先生のように高校生にボクシングを教えたいです」と語った。

profile
中江 誠 Makoto Nakae
普通科3年。ボクシング部キャプテン。ボクシング部に入部したとき2ヶ月で10kg落とし、今ではさらに6kg減らしてウェルター級に階級を下げている。会ったことはないけど入れ違いで同じ中学、同じ柔道部だった先輩がインターハイで準優勝したと聞いて驚いている。
【実績】
●平成24年度県高校春季ボクシング大会 ウェルター級優勝
●平成24年度第66回高等学校 総合体育ミドル級3位

上間 北斗 Hokuto Uema
普通科3年。陸上部をやめてボクシングを始めたとき、体力には自信があったが、スパーリングをやった時に息が切れて腕も上がらずフラフラになり、ボクシングって相当体力がいるんだなと実感した。
【実績】
●沖縄県新人ボクシング競技大会 バンタム級優勝
●沖縄県ボクシング選手権大会 バンタム級2位
●沖縄県ボクシング春季大会 バンタム級 2位

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