シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
沖縄工業高校

メンバーや顧問、OBの先輩方
みんなの力で問題を乗り越えてきました。

このチームでは初の全国大会でベスト8！
次の大会では優勝を狙う

縦7m×横3mのフィールドで繰り広げられる、複数のロボットによる激しいぶつかり合い、ボールを上手に捕らえる機構、巧みな操作技術、ポジションと戦術、心理的な駆け引き、そしてチームワーク。様々な面白さが見られる「ロボットアメリカンフットボール」今回はロボットアメリカンフットボール全国大会の常連校、沖縄工業高校の「10ARMS」のメンバーに話しを聞いてみた。

迫力あるゲームの裏にある
繊細なメカニック

ロボットアメリカンフットボールとは、自ら製作したラジコン型ロボットを操縦して、コート内でボールを奪い合い、相手ゴールへ運び込む事で得点を競うゲーム。1チーム5台まで登録でき、3分間、コート上で試合を行う。「相手のロボットごと押し込んだり、どんな風にでもゴールエリアにボールを持って行けば得点になります」実際、ゲームの最中はスピードある動きにロボット同士の激しいぶつかり合いと目まぐるしい展開に目が離せない。その一方で、ロボットは縦横高さ20cm、重さ3kg以内の基準をクリアしなければ試合に出場できないという細かな規定もある。大会当日は規定のアクリルの枠にロボットを入れサイズを測る「車検」がある。規定の枠からはみ出たり、重さが少しでもオーバーすると試合には出られない。ミリ単位、グラム単位の修正をヤスリで削って修正することもある。現在使用しているロボットはOBが作ったものを改良したもの。今年は一から自分の手で作ったロボットで試合に挑む。

ハプニングもあった県大会
次の全国大会で更に上を目指したい

県大会ではすんなり優勝を手にしたものではなかった。ロボットのトラブルで3対5で戦わなければならない試合もあった。1台でも欠けると苦しい試合展開の中で見事勝利。「練習量の違いです」とエース大城くんは誇らしげに語った。試合前には休日も練習に励んでいる。他にもロボットが規定のサイズに収まらず、はみ出た部分を取り外す事もあった。メカニックの技術はもちろん、操縦の技術など総合的なものづくりであるロボットアメリカンフットボール。部員達は顧問の佐喜眞先生やOBに指導を仰ぎ日々レベルアップを目指す。佐喜眞先生の指導で朝、正門の前で声出しなども行っている。チームワークが大事な競技だけにお互いの声かけも重要になるからだ。キャプテンの阿賀嶺くんは「次の全国大会では今の弱点を克服するよう練習し、前回より更に上を目指す」と真剣な表情で語ってくれた。

■24年度10ARMSメンバー
金城 迪宏 Michihiro Kinjo
電子機械科OB。前年度のキャプテン。大手電気機器メーカー「キャノン」に就職が決まり4月から研修が始まる。「休みも返上して指導してくれた顧問の佐喜眞先生に感謝している」という。

新垣 雄啓 Takahiro Arakaki
情報電子科2年。「操作も上手くて、分からない所を教えてくれる。そしておもしろい」そんなロボットアメリカンフットボールの先輩に憧れている。「もっと技術を磨いてみんなの力になりたい」

阿賀嶺 晃 Akira Akamine
情報電子科2年。10ARMSのキャプテンを務める。「ロボットが思い通りに動いた時や点を決めた時が楽しい」と話す。将来は今学んでいる技術を生かせる職につきたいと話す。

銘苅 樹 Tatsuki Mekaru
情報電子科2年。化学作品展などでアメリカンフットボールのロボットを見て中学の頃から興味を持ち、高校に入学と同時に入部。チームではポイントゲッター。

大城 尚也 Naoya Osiro
情報電子科2年。ポイントゲッターであり、10ARMSのエース。将来はレスキューロボットなど人の役に立つロボットの開発に携わりたい。「チームでは引退までに全国大会で優勝したい」

【実績】
●第７回高校生ロボットアメリカンフットボール沖縄大会　優勝
●第８回高校生ロボットアメリカンフットボール全国大会　ベスト8