シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●沖縄水産高等学校 海洋生物系列
先輩から引き継いだ「フルーツ魚」、
商品化を目指して頑張りたい!
自分たちで育てた「フルーツ魚」を試食会でお披露目。
「美味しい!」の声でさらなる品質向上にチャレンジ!
甲子園で名を馳せる沖縄水産高等学校、同校海洋生物系列の生徒たちが取り組む「フルーツ魚」が注目を浴びている。試食会を経て見えてきた、次を見据える彼らの想いを聞いてみた。
自ら養殖した「フルーツ魚」
一般のお客様に食べてもらう!
あまり馴染みのない「フルーツ魚」……柑橘系の搾りかすなどを飼料にして育てた養殖魚のことで、刺身で食べると、臭みがなくほのかな香りがたいへん美味しい。食材としても注目される「フルーツ魚」の養殖に海洋生物系列の生徒たちが挑んでいる。脂の乗りや食感の良さからスギという魚を選び、シークヮーサー入りのエサを与えている。共に沖縄県産を使用、地域貢献への配慮も欠かさない。飼料の与え方には入念に気を配り、多すぎても少なすぎても味や香りに大きく影響するとういう。チームのリーダー川満昴瑠くんも「美味しいフルーツ魚で、魚嫌いをなくしたい!」と品質向上に余念がない。また養殖魚の飼育には、うるま市の養殖業者と連携して行われている。現場で大人と接することに「皆さん優しいです」と上原涼音さんも頬を緩めた。実際の生物に触れながらの研究、実務をともなう職場体験、このような経験も沖縄水産高校ならではと言える。
商品化すれば、
子供の魚離れも減り、漁業の底上げにもなる!
こうして丁寧に育て上げた「フルーツ魚」で、試食会を実施。場所はなんと…県内最大級の商業施設イオンモール沖縄ライカム。大水槽の前にコーナーを設け、行き交う一般のお客様に食べ比べをしてもらった。與那嶺智大くんも「その場で反応が見られて楽しかった!」と自信が見える。自分たちで育てたからこそ「僕も今までフルーツ魚を知らなかった。ぜひ食べてもらいたかった!」玉城翼くんも熱く語る。手ごたえと課題を得た彼らは「絶対に商品化したい!」と口をそろえる。チーム内でも、包丁さばきが巧みな田中浩太くんは「さばいた時の香りは特別」と一般家庭への普及を望む。商品化実現に向けて、特許も申請中との事。着実に歩みを進めており、スーパーで「フルーツ魚」を手にする日もそう遠くないかもしれない。また、この取材後にはイオン主催「エコワングランプリ」へ参加する山城里衣菜さんからは「出るからには沖縄代表として優勝したい!」と。その声は頼もしかった。
沖縄県立沖縄水産高等学校・総合学科から専攻する海洋生物系列。海洋資源の重要性を学び、基本的な
知識と技術を習得する。専門資格の取得もできる。フルーツ魚の養殖・研究が注目を集める。
【実績】
● 第40回
沖縄青少年科学作品展 佳作
● 平成30年度
日本水産学会春季大会
「高校生による研究発表」 奨励賞
● 第35回
九州地区水産・海洋高等学校
生徒研究発表大会 優秀賞
● 第7回 SCORE!
サイエンスinオキナワ 優勝
● 第41回 沖縄青少年科学作品展
沖縄県知事賞
● 令和元年度
日本水産学会秋季大会
「高校生による研究発表」 優秀賞