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[宜野座高校]「郷土芸能を海外に広げたい!」 伝統を継ぎながら多彩に描く未来像

2019年07月16日

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シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●宜野座高等学校 郷土芸能部

継続の秘訣は「楽しいから!」
流派の垣根を越えて育まれる
高校時代だけの郷土芸能

流派の違いを生かしながら
互いの強みを刺激しあう
今年の目標は団体で賞を獲得したい!!

放課後に鳴り響く三線の音にあわせて麗しき琉舞を踊りつづける
研究熱心な生徒たち

三線・琉舞・箏曲など、普段はそれぞれ流派の違う研究所で芸能を習う生徒たちが集う、宜野座高校郷土芸能部。老人ホームへ慰労のために余興訪問したり、学園祭・郷土芸能大会に合わせて放課後、音楽室に集まり練習を重ねる。平成29年には2年連続となる「沖縄県高等学校郷土芸能大会」の優秀賞を獲得。部長を務める安次富優くん(3年)は、同年「沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト」の三線部門にて金賞を受賞。部員全員が幼い頃から伝統芸能に興味を抱き、研究所で腕を磨いてきた。他流派の作法や型を間近に見られるチャンスを生かし、お互いに刺激を与え合いながら芸能の知識を深めていく研究熱心な生徒たち。伝統を受け継ぎ、長く続けられる秘訣は? と尋ねると、誰もが笑顔で「楽しいから!」と語ってくれた。

「郷土芸能を海外に広げたい!」
伝統を継ぎながら多彩に描く未来像夢が飛び交う郷土芸能部

彼らが生活を営む宜野座村には、100年以上の歴史を持つ豊年祭「八月あしび」が2年に一度、開催されている。しかし、伝統芸能の担い手・後継者不足は、年々深刻な問題となっている。伝統を絶やさないためには、数少ない芸能を担うメンバーが集まって、手を取り合いながら「楽しむ」ことがなにより大切なこと。郷土芸能部に在籍する3年間で出来ることに集中して、沖縄県高等学校郷土芸能大会へ出場し優秀賞獲得へ向けて練習を続けていく。そして可能な限り宜野座高校郷土芸能部がこの先も続くように、下級生へとバトンを渡す。暮らしの中で伝統を受け継ぎながらそれぞれの描く夢に向かって邁進する生徒たち。部長の安次富くんは「英語を学んで海外へ出て、沖縄の伝統芸能を伝えたい。そして、沖縄の文化の輪を広げていきたい」と語る。今年で踊り納めとなる屋良さんは「東京の学校へ進学して、美容師の資格を取る!」と目を輝かせている。2年生の仲地くんは「将来はプログラマーを目指しているから、専門学校へ進学したい」と続けた。まだ入学して間もない1年生たちも「キャビン・アテンダント」や「英語教師」「看護師」など、描いている未来像はハッキリしていて実に多彩。沖縄にルーツを持つ彼らに広がる将来が今から楽しみだ。

三線と箏曲の音色に合わせて優雅に舞う「かぎやで風」。
どっしりと安定した歌声で踊りの調子を整える地謡担当の安次富くん(左)と仲地くん(右)

 

 

 

 

 

 

 

 

宜野座高等学校 郷土芸能部
幼い頃から流派の違う研究所で三線、琉舞、箏曲(そうきょく)を学んだ生徒たちが、放課後に集まり練習を重ねている。ボランティアで老人ホームを訪問したり、県内の郷土芸能大会などで磨いた芸を披露する。

profile
仲地 優士 Yuto Nakachi
2年、三線担当
比嘉優研究所所属

安次富 優 Yuu Ashitomi
3年、三線担当
琉球古典音楽
野村流保存会所属

伊藝 果純 Kasumi Igei
1年、箏曲担当
琉球箏曲興陽会所属

仲地 彩葉 Iroha Nakachi
1年、琉舞担当
宮城流豊舞会所属

クーン 花奈 Hanna Koon
1年、琉舞担当
柳清本流・柳糸志の会所属

屋良 美涼 Misuzu Yara
3年、琉舞担当
宮城流豊舞会所属

【実績】
● 平成29年度沖縄県高等学校 郷土芸能大会
(沖縄県高等学校総合文化祭) 優秀賞
● 平成29年度沖縄県高校生 郷土芸能ソロコンテスト
三線部門 金賞(安次富 優)