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[沖縄水産高校]衰退する沖縄の漁業に貢献、純沖縄産の牡蠣を世界ブランドにしたい

2017年07月30日

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シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●沖縄水産高等学校 シーメンズクラブ

2017夏_高校力沖水メイン

interview

沖縄の第一次産業の発展と漁業の活性化を
目指し「Okiスタープロジェクト」が始動。
純沖縄産の牡蠣を世界ブランドにしたい。

牡蠣の養殖・研究を通して
衰退する沖縄の漁業に貢献したい。
これが僕たちにできること。

牡蠣の養殖は県内でも初めての試み。
新しいことに挑戦できるのが魅力。

県内で牡蠣の養殖を行い、牡蠣の世界ブランドを目指す「Okiスタープロジェクト」。このプロジェクトには、沖縄水産高等学校シーメンズクラブに所属する学生たちが参加している。「元水産庁官僚の上田勝彦さんや牡蠣養殖のプロフェッショナルである梅津聡さんの発案でこのプロジェクトがスタートしました。衰退する沖縄の水産業の活性化を目的に、沖縄で安心・安全な牡蠣を養殖するために活動を行っています(顧問・四方先生)」。クラブにはこの活動を通して、初めて牡蠣を食べたという学生もいるが、”沖縄の水産業のために何かがしたい”という想いが入部したきっかけだったと話す。「沖縄での牡蠣の養殖は、県内でも初めての試みです。道なきところに道を作れることにやりがいを感じて入部しました(神田)」。「成長を見ている分、自分たちが育てた牡蠣を食べたときは美味しく感じました。この美味しさを消費者に届けたいという気持ちも芽生えました(友利)」。

養殖での発見や人との出会いで
徐々に取り組む姿勢が変化。

ゼロからスタートした牡蠣の養殖は、上田氏や梅津氏によるカキ養殖の講義やフィールド調査を経て、今帰仁漁港や読谷村珊瑚畑、大宜味村の塩屋湾に長崎県五島産の牡蠣の種苗を設置することからはじまった。「牡蠣の成長を間近で見たり、プロジェクトに関わる先生や先輩たちの真っ直ぐな姿勢を感じて、僕たちもだんだんと自覚が芽生えてきました。昨年の中部産業まつりでは、県内のオイスターバーの協力を得て牡蠣の販売の手伝いをさせてもらいました。自分たちが育てた牡蠣を喜んで食べてくれる人の姿を見てとても嬉しかったです(大城)」。「上田さんの『このプロジェクトは”授業”ではない”事業”だ』という言葉が印象に残っています。これを聞いた頃から養殖に取り組む姿勢が変わりましたし、いつもこの言葉に立ち戻るようにしています(渡口)」。今後も牡蠣の成長に最適な水温の調査・研究を重ね、安定的に牡蠣が育てられるようにしたいと話す学生たち。純沖縄産の牡蠣を育てて、その牡蠣を世界ブランドにしたいと大きな夢を話してくれた。「将来、自分の子どもに自慢できるような美味しい牡蠣を育てたいです(渡口)」。

2017夏_高校力沖水サブ2
塩屋湾に浮かぶカキ養殖用のいかだにて。「塩屋湾の地形はカキの養殖に適している」と顧問の四方先生。
2017夏_高校力沖水サブ1
水揚げしたばかりの牡蠣を貝殻から外すナイフさばきは手慣れたもの。学生たちは少しづついろんな技術を習得している。


profile
(写真手前左から)
神田 智哉
海洋技術科3年。シーメンズクラブキャプテン。専攻科に進み、将来は立派な船員になりたいと話す。

友利 滉弥
海洋技術科3年。海上自衛隊に入隊志望。「卒業後も”Okiスタープロジェクト”に貢献したいと思っています」。

新垣 賢之介
海洋技術科3年

上原 耕一
海洋技術科3年

協力者 宮城 辰徳さん/OB 新垣 薫/松川 憲次郎先生/四方 俊晴先生

(取材協力)
大城 慶将 海洋技術科3年。漁業を営む父の影響で、船の仕事を志すようになった。高校卒業後は専攻科に進学予定。
渡口 結信 海洋技術科3年。「体験入学に参加し、学ぶ内容に魅力を感じて入学しました。専攻科に進んで様々な資格を取りたいです」。

●【実績】
昨年7月から沖縄県内で牡蠣の養殖を行う「Okiスタープロジェクト」をスタートした沖縄水産高校シーメンズクラブ。生産者などの協力を得て、純沖縄産の牡蠣を世界ブランドにすることを目標に研究を進めている。