シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●宜野座高等学校 山岳部
てっぺんを取るまで諦めない
山岳部はまさに頂上だけを見ている
きっかけは先生からの誘いだったが
結局は全てが自分のものになっていた
宜野座高校の山岳部は今から約2年前に同好会としてスタートし、今年から部としての正式活動が始まった。十分な設備とは言えないが日々の努力が現れているのが実績だろう。あまりメジャーな競技ではないだけに、順調だったとは言えない。しかし、その諦めない心で挑んできたからこそつかんだものがある。大会などを通して多くの人と出会い、多くを学んだという山岳部を牽引してきた部長の當真くんと仲村さん、仲原くんの三人に話しを聞いた。
諦めないで挑戦する事
そうしたら出来るようになる
彼らが1年生の時に同好会から始まった山岳部。イメージとしてはどちらかと言えばハイキングだったり、それこそ登山をするものだと思っていたという仲村さん。ところが部長の當真くんに聞くとクライミングをするんだと言われ、何となく練習に参加しだした。スタート当初5名いた部員は、一年を待たずに當真くん一人になった時期もあり、黙々と練習をして大会に出場しては実績を積み上げてきたという。當間くんが一番部活で学んだ事は「努力を続ける事の大切さ」だ。宜野座高校山岳部の歩みは當真くんの軌跡とも言えるのだ。
三者三様の考え方がある
自分のスタイルを見つける事
他の人は登れて自分が出来ない時ほど悔しい思いをするし、心も折れてしまうもの。「自分らしさが分からなくなった時が一番大変だった」と話すのは仲原くん。「自分にはこんな難しい事出来ないはず」とやる前から諦めて成績を伸ばせなかった仲村さん。二人とも大会などを通して、他校の選手のプレースタイルを参考に自分のプレーを見つめ直したと言う。プレースタイルはそれぞれの性格が現れるため、選手全員が違うスタイルだ。最初は他選手のプレーを真似していたが、イマイチ上手くいかない。自分のスタイルと比較しつつ、部員同士お互いに指摘し合いながら、自信を持ってプレー出来るように練習を重ねた。そのおかげで自分の弱点や長所を知る事ができ、自分らしいプレーが出来るようになったという。「誰かの真似事だけでは成長できない、自分らしさを持つ事が大事」だと経験した二人だからこそ言える。今年卒業する三人に後輩達へのメッセージとして「競争心を持って挑戦してほしい」と語るのは仲原くん。始める前から諦めるタイプだった仲村さんからは「根をあげずにポジティブに続けてほしい」と語る。部長の當真くんは「自分たちの記録を塗り替えてほしい」とこれまで培ってきた努力の結晶を後輩たちへのエールとして送った。
當真 剛輝 Gouki Touma
普通科3年・部長。クライミングを通して多くの人と関わることができたのが一番よかった。実績が認められ学校にクライミングウォールができた時は嬉しかったと振り返る。
【実績】
●平成26・27年 国体沖縄県予選優勝
●平成26・27年 国体九州ブロック予選大会出場
●平成26年 沖縄県民大会 少年の部優勝
●平成26年 全国高等学校 クライミング選手権大会出場
仲原 英達 Eitatsu Nakahara
普通科3年。初めて登った時に「下ろして欲しかったがどうしていいかわからなかった」ので結局のところ上まで行ったという。ある意味での才能の持ち主。
【実績】
●平成27年 第1回沖縄県 高等学校クライミング大会 優勝
●平成27年 沖縄県民大会 5位
●平成26年 全国高等学校 クライミング選手権大会出場
仲村 文音 Ayane Nakamura
普通科3年。元々考え方がネガティブでクライミングにも表れていたが、登れる!できるとポジティブな言葉を自分に言い聞かせることで心境の変化がうまれた。
【実績】
●平成27年 沖縄県民大会 女子2位
●平成27年 国体沖縄県予選 女子2位
●平成27年 国体九州ブロック予選大会 女子2位
●平成27年 第1回沖縄県高等学校 クライミング大会 女子優勝・総合3位(男女)
●平成26年 全国高等学校クライミング選手権大会出場