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精神を研ぎすませ、勝利へ一歩ずつ

2016年02月26日

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シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●具志川高等学校 男子フェンシング部

2016_具志川メイン1
左から蔵元 星弥くん、粟国 安琉くん、山口 章司くん

interview

熱くならずクールに攻め
一本を取るため剣先にチカラを込める

「礼」に始まり「礼」で終わる
紳士なスポーツはメンタルの強さが養われる

「空を道とし、道を空と見る」(宮本武蔵)。迷いのない心が武士の道とあるようにメンタルの強さがフェンシングの剣先の動きに現れるようだ。具志川高校の三銃士に話を聞いた。

個性や性格がフェンシングそのもの
自分にあったスタイルを見つける

フェンシングのカテゴライズは学年別ではなく年齢別(ジュニア13~17歳・カデ18~20歳・インターハイでは18歳までなど)で分けられているため、体格差も含め色々なところでメンタルが大きく関わってくる。実際の試合となると高校生と中学生で戦う事もあるという。県内でフェンシング部として活動している高校は具志川高校を含め3校。共に合同練習が盛んに行われているため、試合当日は相手の手の内を知り尽くしているからこそコンディションによって勝敗が大きく変わる。また、プレースタイルもそれぞれの性格が出るという。焦りが出ると歩幅が大きくなり動きが硬くなってしまい、どこから攻めて良いのか分からなくなり剣が止まってしまう事もあるとか。

九州大会初出場で衝撃
まさかの「後ろ攻め」に驚愕した

「ポイント差のついている試合こそが一番こわい」と話すのはキャプテンの山口くん。勝てる試合だと分かっていても最後の一手がなかなか決まらない。「むしろ決めさせてくれない」と最後のポイントを決めることができずに逆転負けをした事を振り返る。やはり県外での試合ではレベルの差を痛感した。フェンシング人口の差が大きいと思われるが、初めての九州大会で粟国くんは相手が目の前にいるのに、肩の後ろに衝撃を覚えた瞬間に試合が決まっていてびっくりした。見た事もない技で決められてしまい、悔しい思いをしたという。自分達の知らない技を繰り出してくる選手を見ては研究し、確実にポイントを狙いにいく場合もあれば難易度の高い技を仕掛けて外したりと、一瞬の勝負のために練習あるのみと語る。防具は想像以上に暑くなるため、沖縄でのフェンシングは暑さとの戦いでもあるが彼らのフェンシングへの情熱もまた熱い。そんな彼等の今後の目標は、個人戦でまず一勝。団体戦で15本中7本取った1年生の蔵元くんも、団体戦だけでなく個人戦でも結果を残していきたいようだ。目前にある九州大会で入賞したいと話すのはキャプテンの山口くん。部活を引退してもフェンシングを続けていきたいと話す彼らの今後にも期待したい。

2016_具志川右上
集中して相手の動きを見ながら一瞬の隙を見抜く洞察力と強い心で素早く動きポイントを奪う。早すぎて剣先は目視できないほど。
2016_具志川左下
技の名前やフォームは全てフランス語。身体が覚えるまで何度も確認しながら練習を重ねていく。


profile
山口 章司 Shoji Yamaguchi
普通科2年、キャプテン。兄の友達がフェンシング部だったことから、はじめは本気でやるつもりではなかったがいつの間にかハマっていた。

粟国 安琉 Anryu Aguni
普通科2年。兄がフェンシング部だったことから興味をもち高校になって始める。沖縄はフェンシング人口が少ないのでもっと増えてほしい!

蔵元 星弥 Seiya Kuramoto
普通科1年。部活は入らないつもりだったが、部活紹介で先輩たちが試合をしているのを見て「カッコイイ!」と思い入部。

【実績】
●県高校総体 団体 2連覇
●県高校新人大会 団体 2連覇
●その他、個人入賞多数