シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●美来工科高校 大湾 硫斗くん
一試合でも多く出場するため勝利にこだわり
大会毎の集中が欠かせない
だからこそ魅力を感じる
打ち負かすだけじゃないからオモシロイ
楽しいのは対戦相手に適応できたとき
相手が誰とかではなくて、とにかく目の前の相手と戦い勝つことでしか次がない。一つの大会が次の試合を決定づけるから絶対に負けられないボクシング。中学時代はU15全国大会で優勝。全九州高校大会において1年間でライトフライ級とフライ級の二階級を制覇した、美来工科高校ボクシング部2年の大湾硫斗くん。「とにかく試合をすることが楽しい」と語る彼に強さの秘訣を聞いてみた。
相手を倒すことだけじゃない
勝敗の決め手は正確なパンチ
「小学4年生の時に家の近所にあった空手道場へ通っていたが、その通り道にボクシングジムがあって、道着のまま通っていたらジムの会長から声をかけられ一日体験してみた」という大湾くん。始めは空手とボクシングどっちも通っていたが、圧倒的にボクシングが楽しいと感じて以来ボクシング一筋。「なによりもスパーリングや試合感がたまらなく好きで、空手にはない魅力を感じた」という。「試合を見てて、圧倒的に連打していた方が勝つと思っていたが、判定のときにまさかの逆転という展開にびっくりした」とボクシングの試合について語る。時には遠征先での減量調整の難しさに直面したこともあったが、その悔しさから自己管理の大切さを学んだと語る。対戦相手によっては適用力が求められるだけあって、「勝ちにこだわる」という時にはストイックさも必要という大湾くんの目には曇りはない。練習を覗いてみると叩いているサンドバックが斜めになっていく。細身の体から繰り出されるパンチには重みを感じる。
階級を上げた時のギャップが
さらなる強さへのこだわりへ変化した
ライトフライ級からフライ級へ転向したとき「対戦相手のあたりの強さに驚いた」という。たった3キロしか変わらないはずなのにという思いから、強くなることを決意し練習に励んだ。「プロを意識するかというとそうでもない」と答える大湾くん。アマチュアだからこそできることがあるという彼の信念は、先のことというよりも、今の時間をいかに過ごすかが大切なようだ。今後の目標は「高校の間に全国大会で優勝すること」だと語る。県大会で優勝すると向こう半年の大会出場が決まるが、負けると出場機会がなくなり試合ができなくなるという。負けるわけにはいかない。ボクシング部の顧問伊計先生も「とにかく彼は強いんです」と太鼓判を押す。目の前にある勝利を勝ち取るために自分を信じて練習をすることで見えてくる未来があることを体現している大湾くんから今後も目が離せない。
大湾 硫斗 Ryuto Owan
機械科2年。小学4年の時に空手道場の帰りにボクシングジムの会長からの誘いでボクシングを始める
すぐにボクシングの魅力に囚われ、それ以来ボクシング一筋。
【実績】
●第68回全九州高等学校ボクシング 競技大会 ライトフライ級 優勝
●第46回全九州高校新人大会 フライ級 優勝