シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●浦添工業高等学校 写真部
撮影技術やセンス以上にコミュニケーション力が大切
自然な笑顔を引き出し伝えたいことを写真に収める
写真甲子園本戦出場の常連校として
全国でも名高い浦添工業高校写真部
沖縄の高校ではまだ数が少ない写真部。その中でも数々の写真コンテストで入賞している浦添工業高校写真部。全国から精鋭が集まって撮影技術とセンスを競い合う「写真甲子園」で見事優秀賞を受賞した富本玲奈さん、宮城怜果さん、宮里明衣さんの3人に大会の様子や写真の魅力について聞いてみた。
自然な表情を引き出し
写真に収めるのが好き
写真部の普段の活動は、校内で撮影ポイントを見つけて自由に撮影するのが主。休みの日には顧問の照屋友理先生に同行してもらい校外に出かけることもあるという。特に校外の撮影では「その土地の人々の暮らしぶりを切り取って写真に収めるのが楽しい」と口を揃える。「男の人の大きな手や顔のしわには頑張ってきた年の重みが感じられて魅力的。ファインダーを通して見るおじいちゃんの自然な笑顔には胸がキュンとします」と富本さん。「小さな子ども達はカメラを向けると喜んでくれるし表情も豊か。可愛らしい笑顔は撮影のしがいがあります」と話す宮里さん。
写真甲子園で学んだ
コミュニケーション力の大切さ
2014年「全国高等学校写真選手権大会」通称「写真甲子園」に富本さん、宮城さん、宮里さんは規定の3人1チームとして応募した。521校ものチームが参加する予選大会を見事突破し、18校で競う本戦のため北海道へ飛んだ。8月4日〜11日に北海道東川町で行われる本戦では、2時間の制限の中で町中を自由に撮影。それを3セット行った中から8枚の写真を選んで組み合わせ、タイトルとコンセプトを付けて提出する。「初めて行く場所で緊張しましたが、町の人ともすぐに打ち解けて快く撮影に協力してくれました」と富本さん。「一番苦労したのはコンセプトを書くことだった」という宮城さん。「伝えたいことをどう言葉で表現したらいいのか悩みました」過去先輩方は2012年優勝、2013年準優勝と好成績を収めていたのでプレッシャーもあったが、先輩たちのアドバイスもありチームは優勝、準優勝に継ぐ優秀賞に輝いた。高校最後の夏休みのこの経験は卒業後の進路にも好影響を与えたようで、撮影の技術やセンス以上に被写体となる方々とのコミュニケーションの大切さを学んだ3人は卒業後の目標が定まった。宮城さんは写真部の経験を生かし県内の写真デザイン学校へ進学。富本さんは県外専門学校のテーマパーク学科に、宮里さんは県内大学で心理学を学ぶという。
宮里 明衣 Miyazato Mei
デザイン科3年。写真を撮るうちにコミュニケーションの楽しさを知り、沖縄女子短期大学に進学し、心理学を学ぶ。
【実績】
●第6回おきでん「ひかりの風景デジタル写真コンテスト」優秀賞
●第14回上野彦馬賞-九州産業大学フォト コンテスト- 上野彦馬奨励賞
●第15回上野彦馬賞-九州産業大学フォト コンテスト- 日本写真芸術学会奨励賞
●第37回全国高等学校総合文化祭 長崎大会 文化連盟賞
●第20回九州高文連美術・工芸、書道、写真展(鹿児島大会)撮影会 最優秀賞
●第20回九州高文連美術・工芸、書道、写真展(鹿児島大会)優秀賞
富本 玲奈 Tomimoto Rena
デザイン科3年。カメラの形を好きになり、写真部に入部。卒業後は、大阪の専門学校テーマパーク科に進学。
【実績】
●第2回ニコンTokyoEye高校生写真サミット 優秀賞
●第14回上野彦馬賞-九州産業大学フォトコンテスト- 上野彦馬賞ジュニア大賞
●第15回上野彦馬賞-九州産業大学フォトコンテスト- 上野彦馬奨励賞
●第34回沖縄県技能競技大会「写真の部」【学生部門】 金賞・技能士会長賞
●第19回九州高文連美術・工芸、書道、写真展(佐賀大会)優秀賞
宮城 伶果 Miyagi Reika
デザイン科3年。沖縄写真デザイン学校に進学予定。将来は広告写真を撮り、自分が撮ったポスターが街に飾られるのが夢。
【実績】
●漫湖みんなでミュージアム2013 写真部門 銅賞
●第3回高校生働くヒト写真コンテスト グランプリ
●第4回高校生働くヒト写真コンテスト 優秀賞
●第34回沖縄県技能競技大会「写真の部」【学生部門】 奨励賞
●全国スポーツ写真コンクール 全国優秀賞
【2014年の実績】
●第21回全国高等学校写真選手権大会 写真甲子園2014 優秀賞