シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
嘉手納高等学校 中村 枝里子さん(陸上同好会)
円盤投げで44m62!!
世界大会出場も目前の沖縄県期待のアスリート
個人種目は自分との戦い コツコツと練習に励み、練習しただけ記録が伸びる喜び
円盤の重さは約1kg。それを44m飛ばすアスリートが嘉手納高校にいると聞き、インタビューをお願いした。彼女の名前は中村枝里子さん、高校3年生。現在は県内で向うところ敵なしの選手である。はにかみながら、ゆっくりと話す中村さんだが以外にも野心家な一面も。裏表がなく素直で一生懸命。そんな中村さんにこれまでの円盤投げについて、そして今後の目標について話を聞いた。
地道な練習が実を結んで、
新人大会でミラクルな記録!
嘉手納高校には陸上部はなく、現在在籍者2名という陸上同好会(そのうち1名は長距離走)で練習している中村さん。中学生の時に円盤投げと砲丸投げを始め、高校に入ってからも続けたかったため陸上同好会に入会。部員数は少ないが、「ひとりでコツコツ練習するのが好き」という中村さんにはぴったりだったようである。そして、同校の元校長先生である知花コーチとの出会いも大きかった。知花コーチも現役時代は円盤投げで県の記録を持っていたというアスリートで、1年生の冬からコーチとして練習をみるようになり、中村さんの才能を引き出した。現在44m62という記録を持っている中村さんであるが、高校に入ってから、1年生の時は27m、2年生になってからも新人大会までは35m程度の記録であったという。それが新人大会で一気に44mという記録を打ち出し優勝。まさに『新星現る』といった感じで、世間を騒がせた。本人は「風のおかげ」と謙虚だが、知花コーチのもとでコツコツと練習に励んだ成果が実を結んだ瞬間であった。以後、次々と記録を打ち出し、出る大会を総なめにしている。
個人種目は自分との戦い
練習しただけ記録が伸びる喜び
ひとりでコツコツやるのが好きというだけあって「やめたいと思ったことはない」ときっぱり話す。それゆえ、ひとりだと挫けそうになりそうな走り込みや筋トレも苦にならないという。逆に人が多い方が苦手で、強化選手の合宿などでは人と付き合うのに苦労する一面も。それでも、この競技を始めてからは人見知りもなくなり、知らない人とも話をできるようになった。「なによりこれが成長したことかな」とはにかむ。卒業後は、陸上の投てき種目で知名度がある鹿屋体育大学スポーツ総合過程に進学し、大学でも円盤投げを続けることが決まっている。「まずは、大学で練習についていくことが目標」とは言いながらも、見ている先は世界だ。一見おとなしそうに見えるが、「鹿屋体育大学を選んだ理由は、円盤投げ女子で40mを越える選手が在籍していなかったから。すぐにレギュラーになってどんどん大会に出場したい」と、野心家な一面も。4月からは世界陸上、そしてオリンピック目指して、汗を流す日々が待っている。
中村 枝里子 Eriko Nakamura
普通科3年、陸上同好会部員。中学生の時から円盤投げと砲丸投げを始めた。高校2年生の時に新人戦の円盤投げで44mを記録したことをきっかけに、円盤投げメインにシフト。以後数々の大会で優勝している。
【中村さんの実績】
平成24年度沖縄県高等学校総合体育大会陸上競技 女子円盤投げ第1位(記録41m51)
秩父宮賜杯第65回全国高等学校陸上競技対校選手権大会 南九州地区予選大会 第1位(記録42m01)
平成24年度全国高等学校総合体育大会 女子円盤投げ第1位(記録44m62)