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カヌーは自分との戦い。 仲宗根 脩真くん、大城 就一くん

2013年02月19日

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シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
沖縄水産高等学校 仲宗根 脩真くん、大城 就一くん(カヌー部)

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左:仲宗根 脩真くん 右:大城 就一くん

interview

カヌーは自分との戦い。
でも、一緒に頑張る仲間がいるから頑張れた

カヌーといえば「沖水」。先輩に憧れてカヌーを始め、見事に伝統を受け継ぐ

インターハイでは200m、500mに出場し、圧倒的な強さで優勝、2冠を達成した仲宗根くんと大城くん。沖縄水産高等学校のカヌー部といえば、過去にも優秀な選手を多く輩出していることで知られ、ふたりも中学時代に報道で目にしていた當銘孝仁さんや大城海輝さんに憧れていたとのこと。やや肌寒い冬の日、寒さにも負けず元気に練習する部活動中にお邪魔し、ふたりにカヌー競技について話をきくことができた。

「川を走る」という爽快さ
練習すれば結果はついてくる

ふたりともカナディアンスタイルの選手。普段は朝と放課後に練習があって、朝は10kmくらい漕ぐのだとか

カヌーには、片足をついた姿勢で漕ぐ「カナディアンスタイル」と座って両手で左右に漕ぐ「カヤックスタイル」という2種類のスタイルがある。今回取材させてもらった仲宗根くんと大城くんはカナディアンスタイルの選手で、「2年生のペアで優勝というのは非常に珍しいこと。これからが楽しみ」と顧問の平良先生も期待大。ふたりとも、「風をきって走る(漕ぐ)のがすごく気持ちいい」と話し、「カヌーは自分との戦いなので、すごく厳しいスポーツ。正直何度も辞めたいと思ったけど、仲間がいたから頑張れた。それに練習すれば結果がついてくることもわかった(仲宗根くん)」と、部活動を心から楽しんでいるようだった。また、カヌー部が練習する場所は、糸満市を流れる報得川の河口付近で、ここは川幅も広く、直線で1000m計れる、県内では唯一、全国的にみても滅多にない場所なのである。ただ、残念なことに、水質はあまり良いとは言えず、入部したての頃は、みんながジンマシンをだしたりと、弊害もあるようだ。それでも、「練習で使わせてもらってるから、気が付いた時はみんなでゴミ袋を持って、川の周りを清掃している」と大城くん。カヌーと、それに関わる環境を大切にしている様子がうかがえた。

プレッシャーをはねのけ
世界の大舞台で活躍を

普段から息がぴったりの仲宗根くんと大城くん。あと1年、しっかり結果を残せるように頑張りたいと話す

香川県で行われた2012年のカヌースプリントジュニア海外派遣選手選考会では「周りも全部上級生で、スタート前は正直かなりびびってました。これで結果を残さないと代表には選ばれないので、怖かったけど、頑張れた(大城くん)」と話す通り、見事優勝。しかし、200mまではかなり出遅れてしまい、最後に追い込みをかけ、半艇身差というぎりぎりの勝利に、思わずこみ上げてくるものがあったという。しかし、ふたりともすごく控え目で、謙虚。普通ならもう少し、自信を持ってもいいかと思うが、「もっともっと強い人がいるから」と、地道に毎日の練習に励んでいる。今後も世界大会への選考会を控えていて、カナダで行われる大会で、強豪国の代表選手たちと肩を並べて戦えるように、まずは選考会で優勝したいとガッツポーズ。残りあと1年、数々の大会で見事な結果を残してくれることを期待している。

profile

仲宗根 脩真 Syuma Nakasone
海洋技術科コーストマリンコース2年。名護市出身。
マリンスポーツ好きなおじさんの勧めで沖水に。卒業後は大学に進学してカヌーを続け、世界を目指したいと話す。

大城 就一 Syuichi Oshiro
海洋技術科船長コース2年。糸満市出身。
子どもの頃から船乗りになるのが夢だった。1年のうち数回は約1カ月に渡る遠洋実習があり、思うように練習できないのが今の悩みとか。


【ペアの実績】
平成23年度九州高校新人大会 カヌー男子カナディアンペア 優勝
2012 カヌースプリントジュニア海外派遣選手選考会 1000mペア 優勝
全国高校総合体育大会(2012北信越かがやき総体)カヌー男子カナディアンペア200m・500m 優勝
第67回国民体育大会(ぎふ清流国体) カヌー競技少年男子カナディアンペア200m 優勝

【仲宗根くんの実績】
平成23年度九州高校新人大会 カヌー男子カナディアンシングル 3位

【大城くんの実績】
2012 カヌースプリントジュニア海外派遣選手選考会 200m・500mシングル 4位