シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
開邦高校 映画研究部
上段左から:吉田 彩夏(3年)/泉 夏菜子(3年)/比嘉 友美(3年)
中段左から:町田 早郁合(3年)/知念 みなと(3年)/佐久川 紫苑(3年)
下段左から:西 由良(3年)/大城 ひかり(3年)
映画甲子園最優秀作品賞獲得!
全員の持てる力を注ぎ込んだ2年間の集大成です!
先輩からの伝統を受け継ぎ、映研と言えば開邦と言われるように後輩の活動も応援していきたい
第58回NHK杯全国高校放送コンテスト沖縄県大会創作テレビドラマ部門で最優秀賞を獲得した『白い地図』に続き、第6回映画甲子園では『ページのはしのうさぎ』が最優秀作品賞を受賞! 県内のみならず全国で認められる作品を作り上げた映画研究部の皆さんに話を聞いた。
先輩に聞きながら、
手探りで始めた映画づくり
現3年生の部員数は8名。入部のきっかけはそれぞれであるが、みんなが「ものづくりが好き」と話す。しかし、ここに入るまで映画に興味があったとか、映像を撮ったことがあるという人はひとりもおらず、全てのことが1からのスタートだったので、その苦労は並大抵のことではなかったようだ。特に県内でも有数の進学校として知られる開邦高校。勉強との両立も大変で、辞めてしまった部員も多い。それでも全員が頑張ってこれたのは、映画づくりにやりがいを感じたから。みんなのムードメーカーである泉さんは「中学までは特にやりたいこともなく毎日ぶらぶらしていました。でも映研に入ってからは毎日がとても充実していて、そんな私を見て両親もすごく協力してくれています」と話してくれた。彼らの作品は同世代の少年少女誰しもが抱えてる夢や悩みを描いたものが多く、柔らかな雰囲気が特徴的。無理に背伸びしたりせず、高校生や、かつて高校生だった大人たちもすっと感情移入できる仕上がりになっている。それゆえ学校で「白い地図」を上映した際も生徒からの共感できるという声が多く「友達から良かったよって言われて、ほっとしました」と監督を務めた西さんが笑顔を見せてくれた。
これまでの努力が実った
映画甲子園最優秀作品賞
2年生が修了するのと同時に引退となる彼ら。最後の出品作品として取り組んだのが「ページのはしのうさぎ」(27分)で「自分と向き合えない少女と、周りと向き合えない少年2人が1ヶ月間図書当番になり、一緒に過ごす内に何かが変わり始める」というストーリー。監督は満を持してメガホンをとった部長の大城さん。「図書館でのシーンが半分くらいなんですけど、撮影時間が9時間くらいしかなくて本当にみんなよく頑張ったと思います。 今までで一番悔いのない作品で、完成した時は結果がどうであれ満足感でいっぱいでした」と話す。結果は見事最優秀作品賞。その他にも6部門で最優秀賞を獲得という快挙を成し遂げる。引退はするが、今後も映研には関わっていきたいという彼ら。「これをいいプレッシャーとして後輩にかけて伝統を受け継いでいってもらいたいです。いつか映画甲子園といえば開邦高校と言われるようになったら最高です」
大城 ひかり Hikari Oshiro
理数科3年、映研部長。第6回映画甲子園最優秀作品賞『ページのはしのうさぎ』で監督を務めた。 冷静な判断力の持ち主。
西 由良 Yura Nishi
英語科3年、映研副部長。第58回NHK杯全国高校放送コンテスト沖縄県大会創作テレビドラマ部門最優秀賞『白い地図』の監督を勤める。
佐久川 紫苑 Shion Sakugawa
理数科3年、映研副部長。『ページのはしのうさぎ』では最優秀男子演技賞も獲得。映研では数少ない男子部員で貴重な俳優陣のひとり。