スポーツトレーナーの仕事
スポーツトレーナーとは、さまざまなスポーツ競技の選手に対して健康管理や怪我の予防、怪我の応急処置から、トレーニングメニューの作成、生活リズムに対する指導などメンタルサポートまで幅広く行なうスペシャリストを指しています。選手と一緒になって勝利を目指す重要なサポーターとなるためやり甲斐のある仕事と言えます。
[スポーツトレーナーになるには①]
スポーツトレーナーになるには、特に資格は必要ありませんが、体の構造や機能、トレーニング理論など各スポーツに特化した専門知識を必要とするため、スポーツ・体育系学部のある大学や専門学校、医療系大学や専門学校で専門的に学び、スポーツ系資格や医療系資格を持っていることが一般的です。
[スポーツトレーナーになるには②]
日本国内にはさまざまなスポーツのプロチームや実業団チームが多くありますが、大学や専門学校を卒業してもいきなり就職できるわけでは無く、スポーツジムやフィットネスクラブ、整体院などで働きながら業界との人脈作りを経てというのが一般的なようです。
試合に備えて選手のパフォーマンスを調整。
コンディショニングを担当した選手の活躍を間近で見守る
もともとはリハビリの指導や運動能力回復の援助をする理学療法士の助手として病院に勤務していたが、柔道整復師に転身。学生時代にはスポーツトレーナーのアシスタントを経験した。「琉球ゴールデンキングスのトレーナーアシスタントを経験しときに、テーピングの巻き方ひとつにもこだわりを持つ選手を相手にするプロの現場の厳しさを経験することができました。ケアを担当した選手が活躍する姿を見ることがスポーツトレーナーとしての何よりの喜びだということも実感しました」。現在は治療院での施術のほか、女子サッカーチーム『琉球DEIGOS』の専属トレーナーとしても活躍する津波古さん。整骨院での業務とトレーナーとしての経験、その双方がどちらの現場にも活きていると話してくれた。「スポーツトレーナーの主な仕事は選手一人ひとりの症状を把握し、その後のコンディショニング計画を立て実行することです。ケガを持っている選手であれば、現在の症状でどのくらい試合に出場できるか、いつから治療に入るか、その時期を見極めることが求められます。選手としてどの局面で体のピークをもっていくのかを、その後の選手人生を踏まえながら判断するところが難しさでもあります。そして、コンディショニングを担当するうえで、選手と信頼関係を築いていく
こともトレーナーとして大切な仕事です。僕の場合、治療院にいらっしゃるお客様とのやりとりがコミュニケーション能力を磨く経験になったと思います。トレーナーの現場では、理学療法士などと意見交換しながら、症状にどうアプローチしていくかを話し合うこともあります。人と関わる場面がたくさんあるので、気配り・目配りができるコミュニケーション能力はトレーナーとして大切な資質です」。それに加えてトレーナーをするには働く環境選びがとても重要だと話す。「僕が勤務する『さくらメディカル沖縄』は毎年、横浜DeNAベイスターズの沖縄キャンプに訪問し、プロ野球の現場で行われている最新治療法や最先端の医療機器について学ばせていただいてます。知識や技術のために県外や海外に研修に行くこともあり、そこで得た知識や技術を柔軟に取り入れています。そういった環境に身を置かせていただいてるのは非常にありがたいですね」。治療院とスポーツ現場の両面から得られる経験や技術を患者様と選手の両方に還元していきたいと話す。また、その成果が活躍の場を広げ、最近ではアーティストのコンディショニングも担当しているという。「今後も沖縄一、全国一を目指して技術を磨いていきたいですし、スポーツトレーナーとしては『琉球DEIGOS』の選手・スタッフと共になでしこリーグを目指したいと思っています。そして、これからスポーツトレーナーを目指す学生さんの活躍の場を増やすためにも、僕たちが実績を積んで次の世代に繋げたいです」。
柔道整復師 スポーツトレーナー
津波古 健人 Kento Tsuhako
さくらメディカル沖縄・さくらの木整骨院院長。学生時代に琉球ゴールデンキングスのコンディショニングアシスタントを経験。現在は整骨院での施術を担当するのほか、女子サッカーチーム「琉球DEIGOS」の専属スポーツトレーナーとして活躍。
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