高校卒業後の進路は、大学・短大進学、専門学校進学、職業訓練・就職と大きく4つに大別できます。高校生の間に将来の夢や目標がはっきり決まっている人は少ないかもしれませんが、高校卒業前には必ず進路選択を迫られます。残念ながら沖縄県は進学も就職も職業訓練も受けない無業者、いわゆるフリーターが全国一多いという不名誉な状況にあります。進路がはっきりしないから「とりあえずフリーターをしながら・・・」と考えるのではなく、早い時期から自分の進路について考えるようにしたいものです。
沖縄の進路状況
データで見る沖縄の進路事情
図1を見ても分かるように、沖縄の高校生の大学・短大・専門学校への進学実績は67.5%で、全国の76.9%と比較して9.4ポイント低くなっています。沖縄と全国の進学率は10年前は13.3ポイント差(図2)からするとその差は年々縮まってきています。
全国並みを実現するには県外進学は必須
進学の内容を見てみると内容に大きく違いがあり、全国では大学・短大進学が専門学校進学の倍以上あるのに対し、沖縄は大学・短大進学と専門学校進学はほぼ同率となっています。沖縄県におけるH26年の高校卒業総数14,649人に対し、沖縄県内の9つの大学・短大の入学定員は4,337人なため、許容率が29.6%しかないのが一つの要因と考えられます。さらに県外からの受験者や浪人生を加えると許容率は更に下がる事となります。現在37.7%の大学・短大進学率を全国並み(53.8%)にするには、県外進学が必須と言えます。
専門学校進学率は全国2位
全国一低い大学・短大進学率に対し、専門学校進学率は新潟県の30.8%に次いで全国2位(29.8%)の高さとなっています。他府県と隣接していない沖縄にとって、経済的に県外進学が容易でないため、大学・短大進学希望者の受皿として大きな役割を担ってきたのも一つの要因と考えられます。
新卒フリーターは全国の3倍近く
沖縄の進路状況で注目すべきは何といっても “無業者” の多さです。全国の5.7%に対して沖縄は16.0%もおり全国の2.8倍、2,345人もの人が無業者となっています。無業者とは進学も就職も決まらずに卒業してしまう事を指しその中には浪人も含まれますが、その多くはフリーターとなってしまいます。10年前の24.5%からは随分改善されましたが、2番目に多い神奈川県は9.8%で10%を超えるのは沖縄県だけという残念な状況にあります。