シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
●小禄高等学校 女子カヌー部
左から名護 萌香さん、宮城 朋華さん、友寄 愛香さん、仲宗根 由希那さん
水をつかんで進め!
「一漕入魂」彼女たちがつかんだのは
諦めない気持ちと達成感
カヌーへ乗ることすらできなかった
転覆することと川の水に慣れること
同時に起きる試練
県内で女子カヌー部が存在している高校は2校。練習は男子と一緒に行い、冬期合宿は沖縄水産高校男子カヌー部と合同で実施される。実はその合宿こそが一番厳しいという。しかしその中で「忍耐力がつきました」と話してくれた部長の友寄さん。最近行われた九州大会で決勝進出を果たした宮城さん。二人にカヌー部について聞いた。
転覆に次ぐ転覆が
落ちたくない気持ちに変わり
気がつけば楽しくなっていた
カヤックという船に乗りパドルと呼ばれる櫂で水を漕いで競技を行うのがカヌー競技だが、実際の船を見ると全体的に細くV字になっているのでとても不安定。部員達も1年ぐらいは転覆を繰り返していた。彼女たちがエントリーしている種目はスピード競技なので、転覆もしくは沈没した時点で失格となるシビアな競技だ。「部活を始める前は諦めが早い性格でした」という友寄さん。しかしカヌーを続けている間に「自分の限界まで挑戦してみよう」と忍耐力がついてきたと笑顔。一番辛かったのは、去年の大会で全ての種目で転覆した事。とても悔しい思いをした宮城さんは、他の人は最後まで行けるのに自分だけ行けない悔しさから、練習量を増やしたと言う。その結果、今年の大会では個人で決勝進出、8位入賞までに。
体力ももちろん必要
だけどメンタルの方が
もっと大切だと知った
前回の大会では、ほとんどの種目でゴール手前で転覆し決勝まで残る事が出来なかった。小禄高校に限らず、大会全体を通してどのチームもゴールにたどり着くことすら難しい競技なのだ。彼女たちもまた同じで、「もう少しでゴールだ」と思った瞬間、疲れとプレッシャーにより転倒してしまったという。一瞬の気の緩みが勝敗を左右してしまうため、最後まで油断は禁物だ。「他チームと圧倒的な差をつけてのゴール直前だったので、余計に悔しかった」と振り返る。今彼女たちの一番の目標は、国体強化選手として出場し入賞する事。体力はもちろんだが、メンタル面の成長も重要だと改めて感じ、それぞれが大会での悔しい想いをバネに練習に励んでいる。常に謙虚な姿勢で頑張っている部員だが、練習を見る限り着実に力を付けてきている様子が頼もしい。友寄さんは「これからすぐに一番辛い冬の合宿があるけど、みんなで乗り越えて大会で上位入賞を目指したいです」と部長としての抱負を語った。
宮城 朋華 Tomoka Miyagi
普通科2年。カヌーは初心者でもできそうという気持ちから入部したが、船に乗ることすら大変だった。しかし1年もすれば落ちなくなり、漕ぐのが楽しくなった。船がスピードに乗ると爽快でそれがたまらなく好きだと話す。
友寄 愛香 Aika Tomoyose
普通科2年。女子カヌー部部長。実はバードウォッチングをする部だと勘違いして入部。それでもやっているうちに楽しくなり、さらに忍耐力がついてきたと話す。九州大会では決勝まで残れるように練習に励みたいと抱負を語った。
【実績】
●H26年県高校総体カヌー競技 200Mペア3位/500Mペア3位
●H26年県高校新人大会カヌー競技 200Mペア2位/500Mペア2位
●H27年県高校総体カヌー競技 200Mフォア優勝/500Mシングル3位・ペア3位
●全九州高校体育大会 カヌー競技カヤックフォア決勝進出8位
●H27年県高校新人大会カヌー競技 200Mペア2位/500Mペア2位