HOME  >   沖縄の高校力   >  若い力で沖縄の伝統芸能を守り盛り上げる|南風原高校

若い力で沖縄の伝統芸能を守り盛り上げる|南風原高校

2014年04月25日

LINEで送る

シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
南風原高等学校 郷土芸能部

haebaru1
手前左:糸数 結衣さん/手前右:宮崎 花澄さん

interview

南風魂で弾いて歌って踊って、演武する。
若い力で沖縄の伝統芸能を守り盛り上げる。

郷土芸能部の伝統を引き継ぎながら歌い踊り沖縄の伝統芸能を引き継ぐ

県内で唯一、全国的にも珍しい「郷土文化コース」のある南風原高等学校。沖縄の歴史や文化を学びながら、三線や琉球舞踊、古武術の実技を通して郷土文化の継承・発展に寄与する生徒の育成を図っている。郷土芸能部はその「郷土文化コース」の生徒をはじめ沖縄の伝統芸能が好きな普通コースの生徒が在籍し、卒業生の中には演奏家として活動する人や福祉や観光関連など幅広い分野で活躍している。

みんな伝統芸能が好きだから
懸命に稽古して頑張っている

haebaru2
琉球舞踊はガマク(腰)を落としてしっかり踊る。突っ立って踊ると琉舞の繊細な美しい踊りが決まらないという

取材当日は、郷土文化コース設立20周年記念公演の本番3日前。稽古の忙しい合間に宮崎花澄さんとエイサー隊の糸数結衣さんに話を聞いてみた。「私が郷土芸能部に入ったきっかけは、子どものころから琉舞や三線を習っていて、それが好きで郷土文化コースへ入学し、部活も郷土芸能部を選びました」と宮崎さん。糸数さんは普通科コースで郷土芸能とほとんど関わりがなく南風原高校へ入学。「学校に郷土芸能部があることも知らなかったですが、もともとエイサーが好きで太鼓の音が聞こえて来る場所を覗いてみたら、興味が出てきてノリで入っちゃいました(笑)」。部活をやってよかったことを聞くと、宮崎さんは「子どもの頃からやっている稽古とは違い、毎日、部活動として何時間も稽古しているので、専門的なことも学ぶことができて、とても成長できたような気がします」といい、糸数さんは「エイサーを基礎から教わり、一年間ずっと続けたことでエイサー隊として舞踊を行ったり地方(歌・三線)をやったり、今はいろいろ何でもやれるようになりました」と2人とも日々の稽古の成長を語った。

心を一つにして舞台を仕上げ
3年生から伝える伝統

haebaru3
子どもの頃から踊りと三線を習っているという宮崎部長。エイサー太鼓を聞くとチムワサワサーするという糸数さん

2人は1年生のときに高校総合文化祭で最優秀賞を受賞し全国大会に行っている。「先輩たちが全国大会を取るんだという気迫に燃えていたので、自分たちも置いていかれないよう朝も昼もそして夜まで稽古して、最優秀賞を取ったときはみんなで泣きました」という。その時の感動が今も忘れられず、今度は自分たちの力で後輩を全国大会へ導きたいと頑張っている。沖縄県高等学校総合文化祭は11月に県予選が行われ、最優秀校は次年度の夏休みに全国大会出場となる。「去年の11月の県大会で全国には行けなかったので、今年は11月に向かってみんなで一生懸命稽古に励み、何が何でも最優秀賞を受賞し全国大会の切符を取ってから引退したいです」と語った。そのために基礎的な練習を毎日しているという。宮崎さんは「歌も踊りも基礎ができてないと型が美しくない」といい、糸数さんは「基礎が身につかないと曲にノれない」という。去年のリベンジを果たすため、後輩にも基礎の大切さを教えながら全国大会への切符を目指している。

profile

糸数 結衣 Yui Itokazu
普通科普通コース3年。従姉妹のお姉さんがエイサーをしていたので、子どもの頃からエイサーを聞くとチムどんどんしていたという。
大学生になっても地域のエイサー団体に入り、これからも続けていきたいとのこと。

宮崎 花澄 Kasumi Miyazaki
普通科郷土芸能コース3年。琉球舞踊は4歳から、三線教室には小学校1年生から通っている。進路は未定だけど芸大に進んで芸能が学べたらいいなと思っていて、これからも歌三線や踊りを続けていきたいと思っている。

【実績】
●平成24年度沖縄県高等学校総合文化祭 郷土芸能部門 最優秀賞受賞

singakubook