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最初はただの鉄のかたまりが いろんな形になっていく旋盤 自分に合ってると思った。

2013年02月19日

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シンガク図鑑プレゼンツ
沖縄の高校力
沖縄工業高校 金城 迪宏くん

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interview

全国レベルを経験できたのはいい刺激
今年は全国制覇を目指したい!

旋盤技術とは、専用の工作機械を使って円筒状の金属を設計図どおりに削り出し、さまざまな機械部品を作るスキル。最小誤差 ±0.02mmというミクロの手作業に魅せられた金城迪宏くんは、第10回高校生ものづくりコンテストで九州一の栄冠に輝いた電子機械科の2年生だ。

自分は一番作業が遅かった
1位になっててびっくりした

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回転や削り量、送り量、バイト(刃物)の角度など精密な切削条件がある旋盤は、工作機械の王様と言われる。

現在、電子機械科で工作機械の基本技術や工場の自動化のための制御技術、機械を動かすプログラミングの基礎などを学んでいる金城くん。「卒業後の就職を考えて、就職率が高く、資格も取れるから」と、この科へ入学。1年の時、機械加工3級の資格所得のために初めて旋盤に挑戦した。「ただのかたまりだった鉄が、削ることで表面がきれいになったり、いろんな形になるのがおもしろい。自分の性格に合ってるなぁと思った」と、旋盤作業にのめり込む。2年の時に誘われて出場したコンテストで、校内大会1位、県大会1位と順調にコマを進め、ついには第10回高校生ものづくりコンテスト九州大会で、県勢初の優勝という快挙を成しとげる。「競技参加者の中で自分が一番作るのが遅かった。いいものができたという実感はあったけど、1位になったのには、びっくりした」と、その時の気持ちを明かす。

やっぱり手作業が好き
将来はものづくりができる会社へ

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照れながらも次なる目標を語る金城くん。

コンテストに向け、 1/100mm単位の精密度を感覚として身体に憶えこませる日々。ひとつの部品を削り出すのに2時間はかかるという作業を、毎日遅くまで練習した。「自分はマイペースというか、作業が遅いんですよ(苦笑)」と、金城くん。先生が毎晩遅くまで練習につき合ってくれたり、両親が帰ってから汚れた作業着を洗濯してくれたり、遅い日には車で迎えにきてくれたり、周りの人たちの協力にも支えられたという。最終的に挑んだ全国大会では、残念ながら入賞は果たせなかったものの、「選ばれた人たちと競技に参加できたことはとてもいい刺激になった。全国はやはりレベルが違う。今年は全国制覇をめざして、また、頑張っていこうと思う」と、ゆっくりと根気強く確実に目標に向かって進んで行く彼の職人気質で、さらなる高みに向かっている。
そんな彼の今後の目標は何だろう。
「自分はプログラミングよりは手作業が好き。今はまだ漠然としてますが、将来はものづくりができる県外の会社に就職したい。これからもいろいろ経験して、興味のある分野を絞り込んでいこうと思っています」

profile

金城 迪宏 Michihiro Kinjo
沖縄工業高校2年生。県内唯一の電子機械科で、工場を自動化する制御技術などを習得中。2011年、沖縄県代表として、第10回高校生ものづくりコンテスト九州大会の旋盤作業部門に出場。県勢初の優勝を果たす。現在も全国制覇を目指し躍進中。