奨学金を借りる前によ〜く考えてみよう
皆さんのお父さんやお母さんが受験生だった頃(30年前)の大学の学費は、国公立で252,000円、私立大学でも497,826円で現在の約半額ほどです。その時代の大学進学率は23.6%(2016年は全国54.9%)ですので、こちらは倍増したことになります。専門学校などを合わせた進学率は2016年現在76.5%にもなります。これだけ学費が高くなったにも関わらずこれほど多くの高校生が進学するのだから「自分も進学しなくては…」と考えるのも仕方がありません。が、なぜ進学しなくてはいけないのでしょうか。「友だちが進学するから」「なんとなく」と考えている人は今一度よ〜く考えてみましょう。
何百万円ものお金をかけて進学するのは何のため
高校の授業料は年間約38万円ほどですので、授業のある日は200日ほどですので1日約1,900円。これが大学・短大・専門学校になると私立大学では1日約5,000円もの授業料を支払っていることになります。それほどのお金をかけて何を得ようしているのか。「この資格を取るため」「この知識をつけるため」「この技術をつけるため」と明確に目標を定めておく必要があります。これらは最終的には働くためのスキルになってなくてはいけないので、働くことへの強い信念を持って学ばなくてはいけません。大学や専門学校卒業後に就職に付けず、奨学金返済に困る人はその時点から違いがあるのです。
学校選びを誤ると地獄の4年間が待っている
何となく進学した人が陥るもうひとつの不幸がミスマッチです。「思っていたのと違う」「希望する知識や技術、資格が取れない」などなど。また頑張って合格したのに「校風が肌が合わない」となると毎日せっせとお金を払いながら地獄の2年〜4年間を過ごすことになります。苦しくなって辞めてしまうと借金だけが残り破綻の道に足を踏み入れてしまいます。学校選びの段階で一度は進学先へ足を運び、自分の目で確認し、肌感覚を確かめておくことも重要です。
借りる決心をしたのに進学できない奨学金の落とし穴
公的奨学金の代表格の「日本学生支援機構奨学金」は、最大で月額18万円(第1種と第2種の併用)を借り入れることができます。これだけの借り入れができればほぼ自力進学が可能ですが、奨学金の支給時期は進学後であることを覚えておきましょう。大学や専門学校の入学金や学費の支払いは入学前ですので、奨学金を借りる決心をしても入学金と学費(半期分)を前払いできなければ合格が取り消されてしまいます。そうならないためにも進学費用の計画は早めに立てておくことが重要です。
お金を借りずに無借金で進学する方法
当たり前のことですが、奨学金による自己破綻にならないためには「借りないこと」が一番です。お金を借りずに無借金で進学する方法はないのでしょうか。
■新聞奨学制度を利用する
大手新聞社が提供している「新聞奨学制度」は無借金で進学することが可能です。新聞販売店で住み込みで朝夕の新聞配達行いながら、昼間は一般の学生とともに学べます。家賃も要らず給料も出るのが魅力的です。しかも、入学前に必要な費用も用意してもらえ、最終的には借りた奨学金も返済免除となります。しかし、雨の日も雪の日も、朝3時から働き、昼間は学校、夕方からはまた配達とかなりのハードワークとなるため相当な覚悟が必要です。
■お金をためてから進学する
同年代の人に遅れて進学することになりますが、進学費用を貯めてから進学する方法もあります。自分で働いた作った大切なお金ですので、進学後の授業に対しても真剣に取り組むことができます。進学費用が貯まるまで受験勉強もしながら働くこととなりますので、こちらも明確な目標と強い意思が必要です。
まとめ
最近、奨学金による借金がよく取り上げられていますが、「奨学金があったから目標の職業に就けた」「奨学金があったからこそ今の生活がある」と感謝している人がいるのも事実です。奨学金は確かに借金ですが「自分への投資」と認識し、学生時代に真剣に勉強に取り組みしっかりと就職した人だからこその言葉ではないでしょうか。そのためにも「何のために進学するのか」を今一度考えてみましょう。
次回は「より小さい利息で奨学金を活用する方法」を特集します。
<奨学金シリーズ>
▶卒業後に奨学金返済で困らないための方策①
卒業後に奨学金返済で困らないための方策②
卒業後に奨学金返済で困らないための方策③
卒業後に奨学金返済で困らないための方策④