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モットーは「質実剛健」規律ある生活が粘り強い野球の秘訣

2013年02月23日

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Dream Achievement INTERVIEW
夢実現インタビュー
vol.3 興南高校野球部

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「質実剛健」規律ある生活が粘り強い野球の秘訣

2010年春の選抜高校野球大会(甲子園)を延長12回2時間55分の激戦の末、10-5で日大三(東京)から見事勝利を勝ち取った興南高校野球部。
周りの優勝おめでとうムードを尻目に、彼らはすでに次の大会に向けて、毎日厳しい練習に取り組んでいる。野球部員は総勢130名、グラウンドには威勢のいい掛け声が響き、ボールがバットに当った時の金属音が青空に気持ちよく響いていた。そして何より気持ちが良かったのは、選手たちの礼儀の正しさや謙虚さ、真っすぐで明るい心である。今回は、今大会でも中心的な役割を果たした3選手(我如古盛次選手、山川大輔選手、島袋洋奨選手)に話を聞くことができた。

沖縄のパワーってすごい

大声援の中迎えた延長12回、最後の打者を打ち取って優勝が決まった瞬間の感想を尋ねると、3選手ともが「とにかく地元の応援が凄かった。沖縄のパワーを感じたというか、沖縄の人って本当に野球が好きなんだと思った」と口々に答えた。また、プレッシャーを感じなかったかという質問に対しては、「試合をしている時は感じなかったが、今思えばすごい所で試合していたんだなと思う」と答えた。

夏の大会に向けて

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期待と言えば、夏の甲子園に対しての周りの期待は相当なものであると思うが、そのあたりについては「春と夏はやっぱり全然違う。沖縄県勢は過去に3回優勝しているがまだ夏の大会の優勝はないので、取って行かないといけないなという責任はある。夏の大会の恐さを知ってるので、まずは県予選から、きっちり勝って行かないといけない」とすでに気持ちは次に向けて切り替わっている様子。今大会では後半戦での粘り強さや衰えない攻撃力が光り、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった野球が印象的であったが、これまでとは何か違っているのであろうか? 「今までの沖縄の野球はどちらかというと先攻逃切り型。後半で崩れてしまうことも少なくなかった。そこが変わってきていると思う」

強さの秘密は普段の生活の中に

どちらかといえば控えめな3選手。話を聞いていても謙虚で、あれだけの偉業を成し遂げた後の高校生とは思えない。その理由は彼らが繰り返し話してくれた“監督さんの教え”にあるようだ。その教えとは「野球をしている時以外の生活でも規律を守って、感謝の気持ちをいつも忘れない」というようなことで、普段の生活を規則正しく送ることで、礼儀であったり、周囲との接し方であったりと社会生活に必要な態度が身に付いていくのだという。また、最後まで諦めない姿勢や、チームワークの大切さなど、野球に繋がっていく部分も多いとか。その「教え」の中で驚いたことはないかという質問に対しては「質素に!」と、答えてくれた。どうやら目立つことをせず、地味にしていろということらしいのだが、「できる人は過剰にアピールしたりしない。しなくても周りが見ていてくれている」という意味があるらしい。3選手のこの謙虚な姿勢はこういうところからきているのであろう。

周りへの感謝の気持ちを忘れない大人に

実力のある3選手。夏の大会はもちろん期待されてはいるが、その先の未来も大いに気になるところである。もちろん大学、プロ野球、実業団など、野球方面への進路も考えてはいると思うが、みんなの口から出た言葉は意外にも「野球には携わっていきたい。でもまだそれがどんなかたちになるのかは分からない」という控えめな答え。島袋選手にいたっては「大学に行って指導者やインストラクターの資格を取りたい」とかなり堅実派。この考えも我喜屋監督の教えによるものだろうか。“プロ野球”とか“大リーグ”などの夢が聞けなかったのは少し寂しい気もするが、この実直さが興南野球の強さに繋がっているのであれば歓迎すべきことなのであろう。それにしても3選手の口から度々出る「監督さんの教えを守っていれば間違いない」という言葉。選手のみんなが、本当に我喜屋監督のことを信頼・尊敬しているのがよく分かった。その教えをこれからもしっかりと守っていってもらいたいと思う。最後に「どんな大人になりたいか?」と訪ねると、「感謝の気持ちを忘れない大人になりたい」と興南野球部らしい返事が。山川選手は「将来自分の子どもにも野球をさせたいと思う。ここで学んだようなことをきちんと身につけさせたい」とも話してくれた。まじめで、謙虚で、我喜屋監督や興南野球部が大好きな彼ら。今後のますますの活躍を期待するものである。

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         興南高校野球部

センバツ優勝メンバーひとことアンケート
1.春の甲子園優勝瞬間の率直な感想
2.これまで野球を続けてきて自分のためになったと思うこと
3.野球を通して成長できたと思うこと

伊禮 伸也
1.本当に優勝したのかという感じで実感がなかった
2.努力すれば結果がついてくること
3.チームワークの大切さを知った

大湾 圭人
1.最高!!
2.続けることの大切さを知った
3.野球以外の面で私生活の大切さを知り、自分の事をしっかり出来るようになった

名嘉真 武人
1.実感が沸かなかった。でもやっぱり嬉しかった
2.練習全てがためになった
3.私生活が成長できたと思う

川満 昴弥
1.信じられなかった。本当にうれしい!!
2.礼儀など時間をまもるようになった
3.心の面で大きく成長できた

山城 啓輔
1.あまり実感がなかった
2.トスワークで強い下半身をつくれた
3.私生活が大きく成長できたと思う

幸良 倫
1.とても嬉しかった。最高でした!
2.上下関係の厳しさも分かったし、私生活の マナーなども分かった
3.チームワークなど…

銘苅 圭介
1.最高に嬉しかった
2.やれば出来ると思った
3.時間と行動に厳しくなった

真栄平 大輝
1.最高にうれしかった!!
2.高校に入っての生活面など
3.チームワークや上下のあいさつなど生活面

慶田城 開
1.最高!!
2.練習すれば必ず結果がついてくるということ
3.24時間の使い方が以前に比べてしっかり出来るようになった

大城 滉二
1.全国制覇だと感じ、とてもうれしくなりました
2.諦めず努力をすれば、夢が叶いました
3.精神的に強くなったと思います

安慶名 舜
1.素直に嬉しい。本当にすごいことを達成したと思いました
2.野球を通して友達が多くできた。また何事にも辛抱強くなれた
3.支えてくれた方々へ感謝できるようになった

国吉 大将
1.今までのどの勝利よりもうれしかった
2.どんなことでも必死になって取り組めば成果は出るのだとわかり、それが自信になった
3.24時間の生活をきっちりと送れるようになり、人間的に大きくなることができた

国吉 大陸
1.大会期間中の約2週間は常に緊張感があったので、優勝した瞬間は達成感がいっぱいになった
2.野球を続けることで、たくさんの仲間ができたこと
3.日頃の練習を続ける中で、忍耐力や集中力が身に付き、普段の24時間の行動一つ一つを大切にすることができていると思う

大城 怜
1.今までの地道な努力がようやく実を結んだ。今大会までずっと登録外だったけど、この大会でメンバー入りすることができて素直にうれしかった
2.仲間との“絆”。努力することの大切さを学び、忍耐力がついた
3.まず高校生として模範的な生徒になることができた。野球だけでなく私生活、学習面においても常に「気がつく」ということができるようになった

砂川 大樹
1.とてもうれしかった
2.いざという時の集中力が強くなった
3.精神面が強くなった